過去の努力にしがみつかない人
長ネギと小ネギとニラを大量に買い、洗って水切りしてぜんぶ刻みまくり、部屋中がネギくさいです。
ふだん包丁を握る時間をできるだけ減らしたいので、たまに一気にこうやって、ひたすら野菜を切り刻んで下準備します。あとが楽。
種類別にビニール袋にいれて平たく整えて冷凍保存し、味噌汁や炒め物にすぐ使えるようにスタンバイ完了。
窓開けて換気してもネギニラ臭い。
☆
ある方のセッションで、「安定」が話題になりました。
Aさんとします。
一般的に「安定」が意味するのは「変化しないこと」で、「一つところに落ち着いて、得たものを維持する」静かなイメージがあります。
ですがAさんにとっての安定は、違うようです。
Aさんは、心が湧き立ってワクワクする対象に飛び込む生き方を選び、仕事や生活を変えていました。
安定した手堅い資格や実績があるのだから定年まで安泰じゃないか、と思われそうなキャリアが、途中で数個はさまれています。
さらには、実家の親や介護などの事情もあります。
ですが、Aさんにとっては、心のアンテナが動かない場所にい続けるほうが「不安定」。
面白いと感じたほうへ動いて変化する生き方が、安定路線。
自身も動きつつ、家族へも気にかけて動いている。
そんなAさんは、毎回セッションしていて、表情が明るいのです。
仕事場で家庭でいろいろあっても、スカッと明るい。
「誰のせいにもしない」思考がAさんの笑顔に映っていて、話すたび晴れた気持ちになります。
船旅で、いろいろな価値観の人たちと出会った時の感覚を思い出しました。
陸で暮らす日は一年で数えるほどしかなく、むしろ海上が自分に合っていると言う人。
部屋を引き払ってシェアハウスと旅を行き来する人。
転職先を船の上に決めた人。
それぞれが、自分の価値観にしっくりなじむ「安定」を選んでいました。
あくまで「自分が好きなことをどれくらいやるか」の尺度で「安定」を定義する人たちは、少なからずいます。
☆
安定したい。安心したい。
そう思うのは人間の自然な欲求だと思います。
一方、昨日と今日と明日は同じなようで変化し続けています。
37兆個の細胞が死んで新しく生まれる、変化が常態の乗り物にわたしたちは揺られていて、細胞の変化が止まるとき私たちの振動も止まります。
変化を怖がり「安定」にこだわりすぎる姿勢こそが「不安定」を招くのかもしれません。
Aさんも、かなり変化に富んだ生活をしており、いわば「冒険」が、Aさんにとっての安定した生きかたにも思えます。
難関資格や狭き門をくぐったあと、それまでに支払った学習コストや時間コストの回収にはこだわらない。
過去にしがみついていない。
あれほど頑張ったのだからと、過去の努力に未来の自分を縛り付けていない。
それが本当の「心の安定」をもたらすのかもしれない、と思いました。
尊敬する友人と久しぶりに再会して、「明るい人には人が集まりますよねぇ!」と、友人の話を楽しそうにするAさん。
自分自身もそうだと気づいているのかな。
これでしばらく刻まずに暮らせるぞ
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