• 間違いなく傑作だと思う。『我々は宇宙人』

    『我々は宇宙人』

    先に映画を観た家族の感想「二度と観たくない」映画を、仕事の合い間に観に行った。

     

     

    観てほんとうによかった。

    また観たいと思った。

     

    あの空気を、あの光景を、あの心情を、あの間(ま)を、これほど生々しく瑞々しく描けるアニメーションを他に知らない。

    小学生から始まり、30年にわたる物語だ。

     

    評論家の岡田斗司夫さんが「感動の本質は罪悪感である」と言う。

     

    純粋だったかつての自分に戻れない自身への罪悪感が、感動を生みだしているのだそう。

    そうかもしれない。

    だとすれば、罪悪感を感じているうちは、純粋さを今もなお憶えていると言えるんじゃないか。

     

    風になびくまつげ

    瞳に映る水滴

    剥がれるガムテープの粘り

    息を吹きかけ揺れる電灯の紐

    誰にも聞こえない声

     

    心理描写のあまりの精緻さに、「なかったこと」「まあそんなもの」で素通りしてきた感情が、言葉にならないまま湧き上がる。

    鮮明に湧き上がらせた感情に、この映画は名前をつけようとしない。

    名前がつかないままの感情は、痛みと甘みをじわっと残す。

     

    長い断食明けにいただく一杯のお粥か。

    えぐられる痛み以上に救われる奇跡もあった。

     

    今度は誰かと観に行きたい。

    名前のない感情を分かち合いたい。

    そんな映画。

     

    好き嫌いはあると思う。
    だけど間違いなく間違いなく、傑作だと思う。

     

    映画『我々は宇宙人』
    https://nothingnew.film/wearealiens/