運動会から帰ってきた子どもに
「おつかれさま。徒競走がんばったね!」
とねぎらいの声をかけると、
「本気だせばよかった」
と、ぽつり言った。
運動会たのしかったと言う表情の奥で、自分にすこしがっかりしているように見えた。
ふだん本気を出ししぶりがちで、斜に構えやすい子どもが「本気を出せばよかった」と後悔するほど、先生方と上級生の本気度がすばらしかった。
それくらい、いい運動会だった。
生徒たちも先生たちも、本気の度合いが高かった。
本気で走り、本気で大声を張り上げていた。
そんな人がたくさんいた。
あまりの真剣さに、グラウンドの外側にいたわたしも真っ赤になるほど手を叩いていた。
運動会に本気に取り組むエネルギーの渦を見た。
閉会式、校長先生の言葉もすばらしかった。
短くあたたかく、心のこもったスピーチだった。
「みなさんを誇りに思います」
本気になるほど人生が面白くなる。
本気を選ばなかった側が
「本気だせばよかった」と後悔する瞬間をも、豊かに変える。

