目の前の壁と、3人の自分

 

行動するうちに、視界が開けていく。


壁に当たると、道を間違えたのかと思う。
手段を間違えたのか、ルートを間違えたのか。


たとえば、迷路。

行き止まりにぶつかる。
壁が立ちはだかる。
「ああ、また」と思う。


自分を見つめる2人目の自分が、迷路の塀の上に立っている。


行き止まりの方向へ向かっていく、自分の姿を上から眺めて
「そっちじゃない」と嘆き、
「間違い」だの「失敗」だのジャッジする。
批判精神旺盛な例の人物。

少し前に話題になった朝ドラ『虎に翼』の「頭の中の小橋」みたいな。


メインキャラではないが、嫌な意味でいい味出していた、知る人ぞ知るあの人。
主人公の行動にいちいち難癖をつけて揚げ足を取る、小物感満載のスネ夫ヘアーな人物だ。

うまくいかないことが続いて心が折れそうになると、ネガティブな声が上から降ってくる。

 

「ほら、言わんこっちゃない」
とか
「お前の言うことは誰も聞かねえよ」
とか
「身の程を知れ」
とか。

 

自分ダメ出し歴が長いほど、小橋は嬉々として非難する。
その実「頭の中の小橋」は自分自身だ。
なんせ自分自身の欠点は熟知している。
ネガティブ語彙力も勢いもある。
心の急所を見事にえぐる角度で突いてくる。

 

そして、もう一人。

迷路の壁の上に立って自分を見くだす小橋の、さらに上に、3人目の自分がいる。


空を飛ぶ鷹の高度から、
『キングダム』の王騎みたいに、はるか遠く広くを見通す慧眼の存在。
「迷いも壁も順当な道程」と静かな目をしている。

 

壁の上よりはるかに高いところから降る視線は、見くだしのそれではない。
窮地を抜ける自分を知っているまなざしだ。
3人目は、いつか開けた場所へ出ると知っている。


まごつく自分も、批判する自分も、道のりを知る自分も、三位一体だ。

壁に当たる自分も、批判する自分も、それを眺める自分も、全員自分。

 

ふと気づく。

自分と同じように、壁の前にいる人たちがいる。

 

あの人には、あの人の壁。
その人には、その人の壁。
自分には、目の前の壁。

 

人以外の誰も、それぞれの壁を手伝うことはできない。
孤独だけど、一人ではない。

 

壁づたいに抜けるか。
壁を乗り越えるか。
壁に穴を穿つか。
クリアする方法は一つじゃない。

 

行動と停滞の果てに、いつか視界が開けていく。

 

3人目の自分がそれを知っている。
孤独だけど、一人ではない。

 

  

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