幸せになるのに勇気がいる理由
先日、文章表現講座で
エッセイの書き方を教えて
演習した。
その授業準備という名の気分転換で
好きな脚本家のエッセイを
読んでいて、
本の最後の
「文庫版あとがき」を読んで
静かに驚いた。
そのエッセイは
6年前に刊行された単行本で、
3年後に文庫化する際
それぞれのタイミングで
あとがきが書かれている。
「単行本版あとがき」のあとに
「文庫版あとがき」の
ふたつが収録された構成だ。
文庫版あとがきの冒頭に
こう書かれていた。
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このエッセイを書いていたころ、
いろいろ辛い思いをしていたことを思い出す。
一つの悲しみを超えると
また別のことに直面して
それを何とかしのぐと、
また別のが待っているという感じで
心が穏やかになる時がなかった。
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著者のエッセイには
日々の暮らしや仕事、
家族のことが穏やかな語り口で
綴られている。
ハッとする気づきや
のんきなユーモア、
歯に衣着せぬ物言いは軽快だ。
何気ない日常を豊かに生きるヒントは
どれも忖度していなくて潔い。
そんな日々が
エッセイに綴られる一方で、
綴られない痛みややりきれない時間が
背後に流れていたと知った。
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…辛いのは、自分の身に何か
降りかかっている時ではないらしい。
そういう時は、私の方も気が張っているから
何とかしのげるものである。
大変なのはその後で、
受け入れがたいものを
受け入れなければならない時だ。
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あとがきに詳細は書かれていない。
驚いたのは、
辛さを抱えていても
穏やかで明るい文章を書く
意志にとつぜん触れた気がしたからだ。
著者の書くシナリオの
メインテーマは一貫している。
「だからこそ、幸せを書く」
そして、わたしも強くそう思う。
☆
文章はそのまま、その人の生き方を表す。
生き方や在り方、人生への姿勢が
言葉という道具で浮かび上がる。
☆
幸せを書くのは勇気がいる。
「幸せだ」と人に伝えるのも
勇気がいる。
拡大表現するなら
幸せに生きるのは、
勇気がいるということだ。
「人生はそんなに甘くない」と
怖い顔で忠告する人が少なくないから。
さりげない希望をシェアしたり
なにげない幸せを伝えるより、
苦悩や苦労を語るのが
人生の酸いや甘いを熟知して
高尚な気配を醸すから。
人生はそんなに甘くない。
そうなのだと思う。
進めばぶつかり、
とどまれば流される。
不条理で不公平で
カンタンに気分を重く沈ませる装置が
世の中のあちこちに仕掛けられている。
だからこそ、幸せを書きたいと思う。
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悲観主義は気分によるものであり、
楽観主義は意志によるものである。
(哲学者アラン 『幸福論』)
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エッセイ課題の締切を
2週間後に設定したあと、
昔わたしがもがいていた時期に
書いたエッセイを受講生へ配った。
闇の中で目を閉じて
満天の星を思い浮かべたり
長いトンネルの中で
光明を求めて足を進めたり、
希望や幸せには役割がある。
ただ耐えるしかない時間に
必要なのは、
苦しみを増幅し
他者に感染させる力ではなく
日々のなにげない幸せに
気づく力だと思う。
(クリックすると公式ブログから読めます)
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【 下半期、再スタートの時期を知る 】
『リスタート・セッション』
こちらからお申し込みできます。
・状況の仕切り直しを図りたい
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セッションを受けた方の感想が読めます
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しんがき佐世 公式サイト
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