幸せになるのに勇気がいる理由

先日、文章表現講座で
エッセイの書き方を教えて
演習した。

その授業準備
という名の気分転換で
好きな脚本家のエッセイを
読んでいて、

本の最後の
「文庫版あとがき」を読んで
静かに驚いた。

そのエッセイは
6年前に刊行された単行本で、
3年後に文庫化する際
それぞれのタイミングで
あとがきが書かれている。

「単行本版あとがき」のあとに
「文庫版あとがき」の
ふたつが収録された構成だ。

文庫版あとがきの冒頭に
こう書かれていた。

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このエッセイを書いていたころ、
いろいろ辛い思いをしていたことを思い出す。
一つの悲しみを超えると
また別のことに直面して
それを何とかしのぐと、
また別のが待っているという感じで
心が穏やかになる時がなかった。
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著者のエッセイには
日々の暮らしや仕事、
家族のことが穏やかな語り口で
綴られている。

ハッとする気づきや
のんきなユーモア、
歯に衣着せぬ物言いは軽快だ。
何気ない日常を豊かに生きるヒントは
どれも忖度していなくて潔い。

そんな日々が
エッセイに綴られる一方で、
綴られない痛みややりきれない時間が
背後に流れていたと知った。


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…辛いのは、自分の身に何か
降りかかっている時ではないらしい。
そういう時は、私の方も気が張っているから
何とかしのげるものである。

大変なのはその後で、
受け入れがたいものを
受け入れなければならない時だ。
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あとがきに詳細は書かれていない。

驚いたのは、
辛さを抱えていても
穏やかで明るい文章を書く
意志にとつぜん触れた気がしたからだ。


著者の書くシナリオの
メインテーマは一貫している。

「だからこそ、幸せを書く」

そして、わたしも強くそう思う。



文章はそのまま、その人の生き方を表す。

生き方や在り方、人生への姿勢が
言葉という道具で浮かび上がる。




幸せを書くのは勇気がいる。

「幸せだ」と人に伝えるのも
勇気がいる。

拡大表現するなら

幸せに生きるのは、
勇気がいるということだ。


「人生はそんなに甘くない」と
怖い顔で忠告する人が少なくないから。

さりげない希望をシェアしたり
なにげない幸せを伝えるより、
苦悩や苦労を語るのが
人生の酸いや甘いを熟知して
高尚な気配を醸すから。

人生はそんなに甘くない。
そうなのだと思う。

進めばぶつかり、
とどまれば流される。
不条理で不公平で
カンタンに気分を重く沈ませる装置が
世の中のあちこちに仕掛けられている。

だからこそ、幸せを書きたいと思う。

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  悲観主義は気分によるものであり、
  楽観主義は意志によるものである。

 (哲学者アラン 『幸福論』)
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エッセイ課題の締切を
2週間後に設定したあと、
昔わたしがもがいていた時期に
書いたエッセイを受講生へ配った。

闇の中で目を閉じて
満天の星を思い浮かべたり
長いトンネルの中で
光明を求めて足を進めたり、
希望や幸せには役割がある。

ただ耐えるしかない時間に
必要なのは、

苦しみを増幅し
他者に感染させる力ではなく
日々のなにげない幸せに
気づく力だと思う。


「ヒーローのみなさんへ」
https://officesayou.com/%e3%83%92%e3%83%bc%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%81%ae%e3%81%bf%e3%81%aa%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%b8/

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