ナゾの後ろめたさから自由になる方法
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「あなたに罪悪感は食べさせない」
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「罪悪感フリー」という言葉を、少し前に知った。
ギルトフリー( guilt free )。
罪悪感(guilt)が、ない(free)こと。
糖質フリー、グルテンフリー、など、ここでの「フリー」は「ない」ということ。
たとえば「罪悪感フリーなスイーツ」は、「罪悪感を感じることなく楽しめるスイーツ」といった意味で使われる。
「罪悪感」が、どこかじっとりした湿り気や重みを帯びるから、そういう言葉が生まれたのだろう。
できることなら、じっとりジメジメ気分や、後ろめたさや、重たさは避けて、軽やかに生きたい。
そう願う人はわたし以外にもいると思う。
数年前『持続可能な恋ですか? 〜父と娘の結婚行進曲』というドラマで、松重豊さんが辞書の編纂を行う父親役をしていた。
日本語学者の彼は、出勤途中に街のあちこちで「言葉を採集」していて、共感&面白かった。
「親ガチャ」は「理想的でない親の元に生まれたことを否定的に捉えた言葉」とか。
「ポケベル」「チョベリバ」を言うひとは、今はほぼいない。
言葉は生き物で、使われないでいると一般的に消滅していく。
でも、罪悪感は、口の端にのぼらなくても心の隅の暗い場所にひそんでいる。
大人になって、気づかないふりも得意になった。
重たい気分をわざわざ引っ張り出して、どよんと沈みたくはない。
罪悪感を言い換えるなら「申し訳ない気持ち」「後ろめたさ」。
それが罪悪感とは気づかないまま、非言語のまま、行動や思考の足を引っ張る重しとなる。
どこかの誰かが言っていた。
「気づくことは、克服の始まり」だと。
「罪悪感を感じている自分」に気づくとそこで、ようやく、重しの存在が目に入る。
重たさに気づかなければ、痛みを痛みと認識しなければ、罪悪感からフリーにはなれない。
重しの正体に向き合うのはしんどい。
親の価値観、育った環境の価値観。
「これが自分の考えだ」と思っていたのは、他者の刷り込みだったこと。
知らず知らずのうちに自分の行動を縛り、心を締め付けていた足枷に気づく。
そういうのってたぶん、あんまり軽くはない。
だいたいずっしり重い。
ときにヘビーだし、やっかいだ。
サーカスの子象が足首に繋がれた鎖を大きくなっても引き千切らないのは、外せることを知らないから。
その重さに慣れてしまったから。
自分自身の価値観と一体化するほど絡みあっている。
やわらかな心を守るために必要だったもの。
けれど、向き合い続ければいつか、その重しを外すことができる。
痛みと成長を感じながら、すこしずつ外す。
足枷を外す鍵は、すでに手の中にある。
長年ひきずって歩いてきた、謎の後ろめたさの鎖は、外すことができる。
時間はかかるかもしれない。
すこしずつ外していけばいい。
フリー(自由)になれる。
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