ただ存在すること

河合隼雄さんのエッセイに「先進国には人間が居ない」とあった。

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先進国にはヒューマン・ビーイングはいない。
いるのは、ヒューマン・ドゥーイングだけである。

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「人間」を英語で「ヒューマン・ビーイング(Being)」という。

その表現を使い、先進国では「なにかをすること(Doing)」に忙しすぎて、「そこにあること(Being)」ができない、と。

アメリカ講演の冒頭で話して、会場の人たちを引き込んだのだそうだ。

本当にそうだなぁと思った。 

 

河合隼雄さんは、箱庭療法という心理療法を日本に導入した心理療法家だ。

周囲に「どんな指導をするのか」「これで心の中がわかって解釈や説明をするのか」と、なにかをする(Doing)側面でよく聞かれていたらしい。

 

疲れていたり、心がまいっている誰かに対して、自分が何をすべきか、何をしてあげられるかを考えるのは自然なこと。

知識や知恵を使って、何かをはたらきかけようとしがちだ。

だけど、何をするかより先に、「ただそこにいる」ことが大切な基本なのだと言う。

 

これは他者に対してだけでなく、自分自身にも同じことが言えるだろう。

 

ただいること。

存在することに、何の咎(とが)も感じないこと。

それが難しいなと、ときどき感じるときがあるからだ。

 

健やかな気分の時は、存在することプラスアルファで「役に立ちたい」と明るい行動に結びつく。

一方、気弱なときは、存在を軽んじて「役に立たなければ」と焦りから心が空回りはじめる。

どちらにせよ、ただ存在することに全身全霊をおける時間はほんとうに少ないと思う。

瞑想やマインドフルネスなど「静」の大事さが話題にのぼるのも、ただ存在することの難しさを多くの人が感じているからだろう。

 

仕事や家事をするのはある意味、かんたんなのかもしれない。

与えたり、与えられたりした「なにかをする」動作で時間を埋められるから。

なにかと、Doingで存在を確かめようとする自分に気づかせてもらえた。

 

ただ「存在」することの大切さ。

「なにもしないで存在する」を後ろ暗さなく堂々とするには、修練がいるらしい。

ちょっとずつ練習していこう。

 

 

 

「お盆にあの世からやってくるのはご先祖様だけでなく、行き場のない霊もそのあたりに彷徨っている」

そう聞かされた子どもがビビって、お盆の夜散歩はお休みになりました

  

 

 

 

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