あなたの中の天秤

「この人いいな、美しいな」と思う人は、揺れている。
「この人すごいな、強いな」と思う人は、揺れている。
性別問わず、美しいなと思う。
年齢関係なく、強いなと思う。

 

人生経験が増えると、白黒スパッと割り切れないことが増えていく。
かつて勧善懲悪みたいに割り切れたことは、物事の本質を知らずにおこなった浅い判断だったと振り返る機会が増える。
増えるということは、複雑になるということ。

 

悪いことをした人は、ほんとうのところ悪人なのか。
あの人の優しさは、ほんとうの優しさなのか。
被害者と加害者で線引きされた理屈は、誰のための理屈なのか。
鬼は悪者で、人間は善良。
どうもそうでもなかったらしい。
無知だったからかもしれない。
粗かった解像度が繊細になるほど、白黒つけられないグラデーションで世界ができていると知る。


あちらの言い分、こちらの訴え。
あちらの願い、こちらの望み。
他者との天秤は、支点を求めてゆらゆら揺れる。




もう一つの天秤が、自分の中にもある。

 

30代の頃くらいまで、わたしは、
「決めた人は揺らがない。決められない人が揺れる」と思っていた。
揺れまくりのブレブレ人生だったので、決意した人や、何かを決めた人の揺るがなさに憧れていた。

「決意」ってカッコよくて、どしっとした言葉だ。
揺らぎとは無縁そうだ。
何かを始めるのも、続けるのも、決めている人は確固たる意思があるようにみえる。

 

だけど、企業研修や学校で、仕事やプライベートで、年代やキャリアが異なるいろんな人の話を聞いていて気づいたことがある。
決めた人は、決めた後も揺れているということ。

 

かたい岩盤の上のびくともしない意思の土台、というよりは、一本のロープを連想させる。
こちらからあちらへ渡された一本のロープが「決意のロープ」。
決意するまでも揺れているが、決意したあともなお、その上を揺れながら渡っていくのだ。

 

自分にできるのだろうか、とか。
失敗したらどうしよう、とか。
自信があるとないを行ったり来たり、バランスを取るために揺れながら、決意のロープを前に進む。

 

そう思うようになってから、人を見る解像度がすこし上がった気がする。

 

自信ありそうな人が、実は悲観的だったり。

 

ソツのない人が、実は抜け漏れを必死にリカバーしていたり。

 

論理的で理性のかたまりみたいな人が、なみなみ水を張ったガラスの器を内側に抱いていたり。

 

意志の強そうな人が、葛藤する自分との闘いをおくびにも出さず微笑んでいたり。

 

「揺るがなさ」が強くて素晴らしい、のではないのかもしれない。
ピタリと定まる支点を探し求めて、揺れる姿が強くて美しいと、今のわたしは思っている。


理性と感情。
理想と現実。
仕事と人生。
建前と本音。


グラグラと定まらない足場、立場。
支点を求めて自分の中の天秤がつねに揺れる。

自分の支点を揺らしながら進む人が、ロープの先のかたい地盤に足を乗せられるのだと思う。

 

 

 

 

 

 

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