「お米も映画も丁寧に作っています」こんなセリフを言う人を他に知らない

映画『侍タイムスリッパー』が面白かった。

 

「今年観た映画で、一番よかった」と先に観た人にきいて、観にいった。
ものすごくよかった。

とにかくストーリーが面白い。
まっすぐな本気がみなぎる映画のスクリーンから、観客の体内にも本気が流れ込んでくる感覚がすごかった。
映画の熱さに蒸気した顔つきで、目に光を宿した表情で劇場を出る人たち。

 

ストーリーも、演者も、音楽も、間も、セリフもすごい。
そのうえで、監督の安田淳一さんがすごかった。
なにがすごいって、兼任がすごい。

 

「監督」「脚本」「撮影」「編集」「照明」「整音」「車両」「現代衣装」「タイトルロゴ」etc…

 

映画が終わったエンドロールに「安田淳一」とあちこちあって、感動で笑ってしまう。

 

監督の安田淳一さんは、米農家。
農閑期に映画を作ったのだそうだ。

 

 

「お米も映画も 丁寧に作っています。」

こんなコメント聞いたことがない。

 

監督がいくつもの役割を引き受けたのは、自主映画で予算の関係上そうせざるを得なかったからかも。
そんな後ろ向きな推察は、無粋だと思った。
なぜって、それぞれのクオリティがすごいから。

 

どれだけ考え抜いたのだろう。
どれだけ試行錯誤したのだろう。
自主映画で時代劇を撮るすごさ、熱量、想像がつかない。
情熱と根気強さと、あと何があればこんな映画を作れるのだろう。

 

「地獄をみた」

 

映画の初号が完成したときの安田さんの銀行残高は、7000円ちょっとだったそうだ。

 

エンターテイメントの面白さ、だけじゃない。
映画館で観れてほんとうによかった。

 

気になる方は、ぜひ映画館で。
大きなスクリーンで味わってほしいです。


これから行く人は「観に行くよ!」
観た人は「観たよ!」と教えてくれると嬉しいです。


わたしも2回目、映画館に行きます。

単館上映から始まり、観た人の熱量で全国展開された映画。
こういう
映画が人を動かす事実に励まされます。

 

映画『侍タイムスリッパー』公式サイト

 

 

 



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