苦境に立たされまくる主人公のセリフ

主人公のあだなは「虎社長」
機が熟すまで
闇に耐えながら獲物を狙い続ける、
虎視眈々と。


とある方から借りたDVD、

ドラマの主人公が壮絶だ。


マイナススタートから始まり
やっとの思いで得た成功は奪われる。
何度もマイナスに引き戻され
再起を図って得たものは、
再び理不尽に損なわれる。

得ても得ても失う。
それでも得るのを諦めない。

大人になった主人公は
知識と知恵と経験を獲得し
どんどん強く賢くたくましくなっていく。



なかなか現状を打ち破れず
望みも安心も手に入らず
物事が思い通りにいかない時期がある。

「渦中」の時間は伸びる。

「コロナ禍」と括られた期間も
振り返れば約3年間だったけれど、
出口が見えないトンネル内は
体感時間がやたら長いものだ。

過ぎてしまえば束の間でも、
そのさなかは
果てしなく感じやすい。
その錯覚に体感時間が歪みだすと
焦りが生まれる。


焦りが芽生える停滞期は
たいてい、転換期の手前にある。



転換点を意味する
「ティッピングポイント」の
「Tip」は「ひっくり返す」

小さな変化が重なって
大きな変化にひっくり返る
転換点がいつ訪れるかを

わたしたちは知らない。

知っておけるのは、
小さな変化の果てに
いつか必ず起こるということだ。



いくら、飛行機が
向かい風の抵抗に力を得て
飛ぶつくりでも、
離陸許可すら下りない悪天候なら
焦らないことが大切だ。

積み上げた努力が水の泡となって
一歩進んで二歩下がる
五歩進んで十歩下がる
周囲の人が嘆き、焦りをあらわにする。

そんなさなかに主人公がつぶやく。


「俺は絶対、焦らないぞ」


苦境に立たされまくる主人公が
自らに言い聞かせるように
何度もくりかえすセリフ。

最後に心からくつろいだのがいつか
思い出せないほど、
3年が10年に思えるような重たい時間の
ジレンマを超えていく人たちは
虎視眈々、目の奥に光を宿す。


どんな手強い敵より
「焦り」がラスボスだと知る人は
牙を剥くそれを手懐けて深呼吸する。


風向きが変わるまで
風にさらされながら
静かに強くなっていく。




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