【洋上日記】2023年6月21日船旅76日目バミューダトライアングルの端を通過

2023年7月24日 2023年7月24日

外注チーム

気温 29℃　海水温 29 ℃
横浜から21992マイル

朝からMAPS.MEアプリがなんか変。
船の現在地を示す青い矢印マークが、地図のどこにも表示されない。

６時半に起きて、7時20分からのヨガストレッチへ。
朝いちばんに行けてうれしい。
部屋に戻って洗濯とシャワー、着替えて外へ。

14階右舷側の外のテーブルで、日記と今日の記録を書き始める。
船内新聞をチェックして、今日の予定をなんとなくイメージする。
11時からの「自主企画申請ひろば」に行こう。

主催する企画回数が、明日で10回を超える。
下船までに20回できるかな。
どうかなぁ。どうだろうなぁ。

どちらにしろ、今日の申請が11回目、12回目につながる。
いっこ、いっこ、石を積む。
完成形がわからなくても、動きつづければなにかができてく。

（わあ、へえ、こんな感じか・・・）

あとで知るんだろう。

自主企画の他の方の講座や、水先案内人の講座など、いろんな方のイベント・講座に参加していて気づいたのは、エンターテイメント性の大切だ。
魅せること。
「面白い」の大切さ。
どんなに内容が良質でも、伝え方や構成、内容のボリューム、説明の量、パワーポイントなどの要素で、結果は雲泥の差になる。
今日参加したある中国人の方の講座は、まるで教科書を読み上げるような内容で途中でぼけーっとしてしまった。
会場を見渡すと居眠りしている人が続出。
学校の授業みたい。
テーマはとても面白いはずなのに。

かたや、高橋和夫さんやティンティンさんの講座はとても面白い。
わくわくする。ぞっとする。ひやっとする。感動する。
飽きさせない。
会場からときどき笑いが起こる。
伝えたいポイントがぎゅっと押さえられていて、テンポもいい。
なにより、パワーポイント１枚の情報量が少ない。
バックグラウンドに膨大な知識や知見がつまっている彼らは、「あれもこれも」伝えようとすると結局どれも伝わらないのを知っている。
「これだけは伝えたい何か」のために、それを間接的に支える大切な要素を削ぎ落とし捨てて殺して、表に出す。
編集だ。

私は編集の仕事もしているけれど、編集の面白さはまだ道の途中。
あまり得意ではないと思う。
だから寄港地の記事がやたら長くなり、へたすると原稿用紙換算40枚を超えてしまう。
そりゃ原稿が終わらんよ。
ディティールにこだわると大局を見失う。

「大好きなものを殺すんだ」と言ったのは、ヘミングウェイだっけ。

書いて書いて書いた大切なものを、削除する。
いちばん伝えたいものを伝えるために。

私はまだまだ、削ぎ落としが課題だなぁ。
5000字書いて2000字削る。できたりできなかったり。
のびしろいっぱい。

ゆきちゃんけいちゃんとお昼のテーブルでばったり会って、一緒にお昼ごはん。
タイミングよく会うんだよなぁ。
「引き寄せやな」とゆきちゃん。
今日もプレートにはどっさり盛る。私も。

午後２時からバンド練習、シアタールームの裏へ。
曲は「そばかす」初めての音合わせだ。
メンバーはやす、しの、あこ、おぐちる、私の5人。
今日集まったのは3人だった。
企画がかぶると互いの予定が合わないことも多々ある。
私がドラムスティックで四拍子を取るリズムから曲が始まるので緊張する。
練習あるのみ。

疲れて14階でケーキとコーヒーを前にぼけーっとしていると、ナッキーが通りがかる。
ナッキーの笑顔はいつも素敵だなぁ。

「さよちゃん、仕事はどう？」
「この間、エジプトを出港しました」

私が言うと、大笑いしていた。
6月21日、船はパナマに向かってカリブ海を航海しているが、私の船は地中海にはいったばかり。

夕方、元船長の狭間さんの「航海の雑学中南米～パナマ運河」を聞きにいく。
いつも楽しみにしている講座のひとつ。
今日バミューダトライアングルの端っこを通過したと知る。
「ささーっと急いで通過しました」と狭間さん。
幽霊船や怪奇現象（？）など昔から怪しいエピソードの多い海域は、今でもあまり入りたくないエリアなのかな。

今日、なんどもMAPS.MEの現在地をスクリーンショットしようとして、船の位置が表示されないままなのも、それが原因？

夕方、アイスランド2本目の原稿を１時間半書く。
なんだろうな、なにか私の中心がズレている。
さみしい気持ち。心許ない気持ち。疲れて力がはいらない。

こういうときは、いつものことをいつもどおりやる。
行動が心を支えてくれる。

夜９時半から書く瞑想ワークショップ９回目を開催。
計17名の参加。