【参加者ストーリー】船旅費130万を貯めた 20年生きてきていちばん濃い一年
船旅代を一年で貯めるって決めたんです
高校の時から海外に興味があって。
英語めっちゃ勉強してアメリカの大学行って、コンピューターサイエンスや経営を学びたいんです。
でも親に止められて、日本の大学に行ってから海外を考えてと説得されて、琉球大に行ってます。国公立で学費が安いし、自宅から通えるし、そうやって生活費を浮かせてアメリカ資金を貯める下心です。
コロナでオンデマンド、クラスメイトの顔も知らないまま2年経って、違和感しかないから船を下りたら大学を辞めてアメリカの大学をめざします。
船旅のことを知ったのはたまたま。
若者は一般より船旅代が安いんですけど、でも130万は自分にとって大金ですよ。
広告宣伝の船旅のポスターを貼って貼って、貼りまくったら船代をタダにできると知って、ポスター貼ると決めました。
レストランや居酒屋とかで見かけますよね。あれです。
物価が上がって船代も上がってメンタル削られる
姉も弟もかなりお金がかかる塾に通ってて、少し前から家計が大変だと聞いてたんです。
それで自分は塾に行かずに、自学で進学校の高校に行きました。
しかも、アメリカの大学に行きたいからさらにお金がかかるじゃないですか。
自分でアメリカの学費も船旅代もどっちも貯めるしかないな、と思って。
飲食店のバイトはアメリカの学費用に全額回すから手をつけない代わりに、船代はポスター貼りだけで、8ヶ月かけて100万貯めました。
地元の沖縄で一人で貼るのは孤独だったし、大変だけど、とにかくやるしかない。
夏はバイトが忙しかったけどポスター貼りを並行して、やっと100万貯まった頃、値上げの連絡が入って絶望しました。
コロナや世界情勢でサーチャージが高騰し、船旅代金が60万上がるって。追加で60万!
無理でしょ、出航までもう時間ない、間に合わない。血の気が引きました。
絶望っすよ。
でも、若者の支援に力を入れてるピースボート運営側の配慮もあって、ポスター貼りをやっている若者に限り、60万を半額の30万に減額してもらいました。
朝9時から22時まで平日ずっとポスター貼り、土日は飲食店バイト、その頃の記憶があんまりないです。
朝5時に起きて勉強して、イライラしたら散歩して、お金使わないでリラックスできる方法探して。
それで、船旅申し込みリミット日に、130万円分のポスターを貼り終えて、船旅代を全額クリア。
ギリッギリで船に乗れました。
ポスター貼りしてると、たまに優しい人もいました。
お蕎麦屋さんが「もっと話を聞かせてよ」って、そばをおごってくれたり。
カフェの店員さんが飲み物を出してくれたり。
会社に貼りに行ったら「頑張ってね」って。嬉しかった。
ポスター貼りは結構キツイです。ポスター数十枚やハガキやセロハンテープなど備品あわせて20キロのリュックと紙袋持って、一人で一軒一軒回る、断られる率も高い。
ぜんぶ飛び込みだし、ピースボートを怪しい宗教団体と思ってる人もいる。
ののしられたり追い出されたりもしました。
半分以上は断られるから、メンタル削られました。
沖縄県の中南部を、一日20〜30キロ歩いてました。
でも乗りたいから、数をこなすしかない。
この一年で幼なじみが死んだり、コロナとインフルにいっぺんにかかったり、感情が爆発して職場で大泣きしたり、キツかったです。
でも、なんで諦めなかったんだろう。
「二択で迷ったら心躍る方へいけ」って言葉が好きです
最初は「できるのか?」でした。
いろいろ調べているうちに、夢が具体的になっていった。
少しずつ、世界一周が現実味を帯びた夢になってきたんです。
夢が「予定」になっていった。
その先には、やっぱりアメリカ留学があります。
大学は休学中だけど、やっぱ辞めようと思います。
この一年バイトとポスター貼りばかりだったから、次はアメリカ留学を目指します。
船で勉強するつもりでいろいろ持ってきました。
コンピュータサイエンス、経営学、リベラルアーツ、他にも幅広く学びたい。
学びやすい環境がアメリカにあると思います。
勉強せざるを得ない環境に身を置きたい。
夢を叶えるのをためらっている人がいたら、一歩踏み出してほしいです。
「二択で迷ったら心躍る方へいけ」って言葉が好き。
きつくてもワクワクする方がいい。
一年前の自分に「選択は間違ってなかったよ」って言いたいです。
これさ、やってなかったら出会えなかった人がたくさんいるよ。
楽しいよ。
りゅうのすけ 20歳 沖縄
あなたが20歳の時に叶えたかったことはなんですか?
「今の年齢」に「プラス20歳」して、20年歳を重ねたあなたは、今のあなたに何と言いますか?
質問フォームから教えてください。
https://forms.gle/JFHthHD8iaB67vdW9
マニラで髪切るんで、切った後また撮ってもらっていいすか?の前。
沖縄県のマップ、ポスターを貼ったエリアが沖縄数十キロにわたって巡らされている
一軒一軒、一人ポスターを貼りまくった。